神保町ファイトクラブ

趣味に全力で生きる三人、黒田よわし(@jack_kuroda)、アシェンデン(@bitsecond)、Xuniが新旧問わず本・映画・その他の感想などを書いています。

『仮面ライダー アマゾンズ 最後ノ審判』は最高の大衆向け娯楽映画でした

先週公開された『仮面ライダー アマゾンズ』シリーズの最新作、『仮面ライダー アマゾンズ 最後ノ審判』を観てきました。

相変わらずの凄惨な描写に加え、シリーズを通して語り続けられていた、生きるということ、そのためには絶対に避けられない他者を害し、食べるということについて更に考えさせられる本作の魅力について語りたいと思います。

 

 

 

・あらすじ

 

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 Amazonプライム・ビデオ初の日本オリジナル作品として2016年に2シーズンが配信された「仮面ライダーアマゾンズ」を映画化。配信版シーズン2の後の物語となり、人工生命体「アマゾン」をめぐる新たな計画や、水澤悠/仮面ライダーアマゾンオメガと鷹山仁/仮面ライダーアマゾンアルファの信念がぶつかり合う激闘が描かれる。人間による人工生命体「アマゾン」の殲滅作戦が佳境を向かえ、残りは生存が確認されている2体のアマゾン、水澤悠/仮面ライダーアマゾンオメガと鷹山仁/仮面ライダーアマゾンアルファを狩れば、すべてが終わるはずだった。しかし、アマゾンをめぐる新たな計画「アマゾン畜産計画」や謎の養護施設の存在が明らかになり……。

 

ここからネタバレの危険があります、というか書いていたら全開になってしまったので未見の方は劇場版を見てから読むことをおすすめします、仁さん好きは絶対に見てくれよな!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・脚本が小林靖子氏から高橋悠也氏に交代、その成果は・・・

今まで仮面ライダーアマゾンズシリーズの脚本を担当してきた小林靖子氏から高橋悠也氏に交代した、人の心がない脚本(褒め言葉)で人気を博していた本シリーズなだけにファンからも不安の声が多く、かくいう自分も期待半分、不安半分という心持ちで観に行きましたがいい意味で期待を裏切る素晴らしい出来でした。

 

というかですね・・・ラストくらいは優しい結末でもいいと思うんですよね、高橋氏は小林靖子氏(人の心がない)と違って人の心があるお方なのでS1、S2で虐め抜かれた某キャラクターにこれ以上ない優しい救済があったりと全体的に優しさが溢れる脚本でした。

 

 

これまでのアマゾンズは”被捕食者”である人間側と”捕食者”側であるアマゾン(怪人)側のストーリーであったが、今回は静謐な山中という人間社会から離れた場所で”捕食者”の人間がアマゾン牧場を運営し、”被捕食者”の家畜アマゾンを育成する、という今までの逆のストーリーとなります。

 

察しのいい方はもうお気づきでしょうが恐らくこの物語の下敷きにあるのは不二子・F・不二雄先生のミノタウロスの皿』

彼らは被捕食者としての生を全うするため、他者に食われることは幸せを運ぶこと、人に尽くすために産まれた我々は幸せな生命体だと本気の笑顔で我々に語りかけます。

 

アマゾンズS1で語られた『生きる為に何かを喰らうということは、悪なのか』『そして、それに抗うための戦いは善なのか』という話が立場を全く逆転した状態で襲いかかってくるシュチュエーションはアマゾンズのラストを飾るに相応しく、とにかく考えさせられる作品でした。

 

 

 

 

・とはいうものの・・・?

真面目な話はここまででいいよね、本作の笑いどころの話をしたいんだけど、いいよね?

まずはモブアマゾンがマリオ64のペンギンレースばりにズサァーッと滑ってくるところがまず意味不明だし、仁さんが任務失敗した対魔忍みたいになっちゃってたの流石に笑うし、めちゃくちゃごろごろ転がっていくし、仁さんありきのアマゾン家畜化計画なのに仁さんからベルトを取り上げないどころか、真横にあるコートの中に鎖を外す鍵があるのもうちょっとやりようがあっただろ!って思ってしまうし、悠も相変わらずだし肉を食うと壊れたはずのベルトが復活するしもう本当にお前ら・・・という気持ち。

 

そしてなにより最高だったのはやはり橘局長(4Cの親玉)でアマゾン牧場は散々脱走者を出しているのに政治家相手に「いやいやwウチの家畜は人間に手を出さないっすよw」みたいなことを行って案の定ムクが暴走しただけでプロジェクトの全てがおジャンになるのおもしろすぎるし、そんなヤベー施設の管理人がアマゾン1人でokという甘い見積だし、そのアマゾンにしたってチェーンソー(とてもつよい)にガトリング(すごくつよい)を組み合わせれば最強やん!みたいな小学生脳だし、まぁこの無能っぷりならシグマ計画ポシャったっぽいのも致し方なしかな・・・と劇場で涙を流してしまいました。

 

あと相変わらず生態系ジジイは本当に最悪で、そもそもアマゾンの家畜化なんてジジイ的には一切興味を惹かれない案件なのでドヤ顔で生態系を語っただけだしなるべく酷い目にあって欲しいな・・・と思いつつ、でも酷い目にあったらあったで「これが、これこそが生物の本懐!弱肉強食!」とか叫んで笑顔で退場しそうだし本当に最悪ですね・・・

 

 

こんなに茶化してますが真っ当に面白い映画なので、次回作は無理だとしても似たような試みをして欲しいですね。